安吉旅行記(下)

 次の朝は、ホテルで朝食をとった後、9時ころにこの日一番目の見学スポット「安吉天荒坪ダム」(天荒坪揚水発電所)に向かいました。揚水発電所というのは、山の低いところから夜間の余分電力を利用して、山のより高いところに水をくみ上げ、蓄えて昼間に電力消費ピーク時に発電するところです。安吉天荒坪揚水発電所は世界中においてもその規模や先端性で有名になっています。車で発電用ダムがある山の頂上に向かっている途中にきれいな下のダムが見えました。


 900M以上の頂上にあるダムにたどり着きましたら、もう雪降りの真冬の風景でした。上海から出発前には寒波が来ると天気予報を聞きましたが、まさかこの3月の中旬に雪が降ることは予想しませんでした。
 雪が降ったせいか、寒いせいか水面上漂う湯気か霧かが本来見える雄大なダム全景を隠してしまいました。残念でしたが、このような風景も滅多に見るチャンスがないだろうと自分で慰めました。それでもお勧めの観光スポットです。


 山から下りて、今度は今回旅行の最重点目標の安吉白茶の千年白茶祖(茶樹)に向かいました。白茶谷(九龍峽)についてから、千年白茶祖がどこにあるかを村民に聞いたら、この天気でいくのが無理ですよといわれました。あと2キロほどの山道がありますよと。一瞬、心臓が寒気を感じました!それでもあきらめない4人は意見が一致して、GO!GO!山登りを始めました。
 まずはあっちこっちにいるワンちゃんを警戒しながら村を通り抜けて、谷に流れている渓流と逆の方向で風景を楽しみながら進行しました。



 だんだん道が狭くなり、石でできた凸凹の山道になりました。



 このとき、山風も強くなり、雪もかなり降るようになりました。荒野に放されている4人だけがどこに伸びているかの知らない道を勇敢に進みました。



 やっと30分ほど登った結果、かすかな所に一軒の屋敷が見えてきました。きっとそれだろうと心の中で祈りました。もっと近づいて確認したところ、ある大きな岩に赤字で書かれている「白茶祖」の三文字が目に飛び込みました。


 やった!先行者が後ろに向けていいニュースを喜んで報告しました。ところで喜びもつかの間で消えました。白茶祖やその農家が渓流の向かい側にあり、あいにくこの日の渓水が普段より上がっているらしくて靴を履いたままでは渡れません。みんなが渓流上下を探索したりしましたが、別のところでわたることを断念しました。ここまでこられたらもっと白茶祖に近づけたいとの一心でみんなが石や枝を捜して、運んで渓流に投げ込んで渡り道をつくろうと作業し始めました。私たちが立ち往生しているうちにこちらの騒ぎが聞こえたか感動されたかその農家から一人のお爺さんが現れました。私たちの目的を知ったお爺さんがハシゴや板を運んできて、石などで固めてから自らみんなの手をつないで保護しながら渓流渡りを助けてくれました。成功した瞬間、その喜びは今回の旅で最高でした。



 それでも不運なことにメンバーの一人が足を寒い水に踏み込んでしまいました。


農家のこん炉で濡れた靴を乾かしている

 渓流を渡ったみんなが早速お爺さんに白茶祖茶樹の話を聞いたり、写真を撮ったりしました。歴史上、1000年近く前の宋の時代の「大観茶論」にもその白茶の特徴や珍しさについて論述がありましたが、その後、いろいろな原因で白茶の茶樹や製法が後世に伝わりませんでした。話によれば安吉のすべての白茶樹はこの80年代ころに発見した千年白茶祖の後裔です。挿し木でこの20数年間で普及したものだそうです。特に近年安吉白茶の名声が上がっています。



 大雪が降り始めたため、老夫婦だけがいるこの白茶祖を見守る農家に入りました。茶摘みの時期になっていませんので農家にも昨年の白茶しかありませんが、飲ませてもらいました。感謝の気持ちも込めて少しのまとめ買いもしてあげました。おまけにお昼もおごってもらいました。ちなみにお爺さんの名前は桂さんでした。
 雪がなかなか止まないので仕方がなくて大雪の中で再び下山の行軍に出かけました。幸いなことに今度は水にこぼれる人がいませんでした。


帰り道に再び川渡りを挑戦する


買った安吉白片を背負って下山する

 駐車場に戻ったのは午後2時くらいなっていました。時間の制限や疲れと寒さもあって計画中の安吉大竹海などの観光スポットを省きましたが、満足のできる旅でした。
 安吉は県として、観光スポットが多くてとてもきれいなところで、観光をするには一泊二日が必要です。料理もお酒も美味しいです。夏や秋はもっとふさわしいシーズンだと思います。

安吉旅行記(上)

 先月、まだ早春という時期に安吉白茶の産地浙江省の安吉県に旅をしました。
 安吉県は浙江省の西北部に位置する、1886平方キロメートルの県であり、上海から約220キロ離れています。安吉は竹の故郷として名が高い。その安吉白茶も宋の時代から有名でした。
出かける前にインターネットで安吉のお茶関係の話や観光スポットを調べ、ホテルまで予約をしておきました。
 上海から安吉にいく道は二つのルートがあり、私たちがやや近道の普通道路を選んで318国道で行きました。国道ですので少々渋滞したところもありましたが、車が3時間ほど走って、安吉県内に入りました。
 市内に入る前に道端で見かけた看板を参考に有名な安吉白茶メーカーの安吉大山嶋茶場を唐突に無理やり見学させてもらいました。あと2週間ほど茶摘み時期になりますので工場はまだ作業の準備を開始したばかりの状態でした。安吉白茶加工に利用される機械は他の緑茶加工とほとんど同じものでした。
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 工場から出て早速安吉市内に突入して、ホテルを探しながら、町の風景を見学しました。新築のきれいな建物が多い、豊かな町である印象を受けました。
 ホテルにたどりついて予約のとおりに順調にチェックインができました。なかなかよいホテルでした。特に総経理の人柄や対応にとても満足でした。お勧めのホテルです。
ホテル名:安吉凱旋門大酒店  電話:0572-5018888  総経理:金 総 料金:320元
 チェックインが済んでもう午後2時近くになり、あわててレストラン探しに出かけました。市内で車を適当に走らせて入り安そうなあるレストランを決め、早速メニューをチョイス。
 タケが有名ですので春の時期でもあることで3種類の竹の子料理とその他2品くらいを選びました。あたりました!竹の子の料理はとても美味しかった。特に干しの竹の子料理は最高でした。好喫!4人あわせて100元で満腹しました。食後は持参の携帯ポットや岩茶を堪能して、みんなが大満足でした。因みに、この店の店名は大家福です。電話などを控え忘れたので残念でした。
 食事の後は、市内から遠くない有名な「安吉竹博園」を観光しました。世界中から数百種類の竹が集められ、栽培・展示されているところです。そのほかに竹の知識、利用価値、加工方法などいろいろが展示や説明され、まさしく竹の博物館です。そのユニークさもあり、一見の価値があるところです。
 午後の残り時間を「霊峰勝境」という森林公園の見学に利用して、雨の中で観光客のほとんどいない静かな山やお寺でそれなりに楽しみました。
 雨が降り続ける中で、周りもかなり暗くなり、今日の観光予定中の「江南百草園」をあきらめて一行がホテルに戻りました。
 夕食は宿泊のホテルで取りました。特に特記事項がありませんが、この一品だけは薦めたい。好喝!好喝!清爽型黄酒(紹興酒)の「烏毡帽黄酒」です。お茶ティスティングの方法で8年と10年ものを飲み比べ、みんなが10年ものに軍配を上げました。こくがあり、まろやかでした。4人で4本も飲みました!
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 業者:浙江省烏毡帽酒業 上海事務所電話:021-6513-9988  http://www.winezj.com/

茶類識別(第5回中級評茶員用)

       茶類識別  

      心也清茶社第5回中級評茶員      2006.4.12

一、緑茶 ( 炒青 烘青 半烘炒)
 扁 形:龍井
 曲巻形:碧螺春、惠明茶、高橋銀峰、蒙頂甘露
 針形:雨花茶、竹叶青、開化龍頂
 条 形:信陽毛尖、眉茶
 花びら形:太平猴魁、黄山毛峰、安吉白茶、涇県奎尖、紫笋茶
 片 形:六安瓜片
 顆粒形:涌溪火青、羊岩勾青(或叫勾曲形)、珠茶
 
 注1.干燥時,全炒或炒到含水量10%以下再去烘的都可以叫炒青

二、黄茶
 君山銀針、蒙頂黄芽、老火黄大茶
三、白茶
 白毫銀針、白牡丹
四、青茶
 武夷岩茶、鳳凰単樅、台湾烏龍、閩南烏龍
五、紅茶
 祁紅工夫、滇紅工夫、正山小種、紅碎茶
六、黑茶
 プアール散茶
七、花茶
 茉莉烘青(茉莉花茶)