お茶ソムリエ:大江静代先生とティータイム

上海心也清茶社は中国茶関連記事をLook上海誌に掲載します。
季節に応じた中国茶の紹介やテーブルセッティングを提案します。

今回は初回記事をPDFで本ブログで掲載します。
内容は下記リンクをクリックしてご覧になってください。

「お茶ソムリエ:大江静代先生とティータイム」連載その一:龍井・緑茶

 

渓口日帰りツアー

上海在住者にオススメ日帰り観光スポット~~~
今回の特集は自然がいっぱい 癒しスポットの観光です。実際に行ったからこそわかるアドバイスも必見
奉化市渓口は国家5A級観光地です。
上海から240km、車で2時間半で行けます。

前日ネットで入場券の予約をしました。
入場料は1人230元、「同程網」で取ると200元となります。
しかも、支払いは現地についてから、安心。ネット入場料受付の窓口があります。
そこで、お金を払って、入場券を受け取ります。
「同程網」のサイトはwww.17u.cn
(70歳以上無料です。学生割引はありません。)

7時半上海から(古北の近く)車で出発。
特に渋滞が無く、朝10時渓口に到着。
チケットを買ったり、トイレ休憩してから、10時半に渓口蒋介石の故郷の街に入りました。

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写真:蒋介石の故郷の街の入り口

川沿いの道に、蒋氏宗祠(蒋介石家族の多目的ホール)、豊鎬房(蒋介石の旧居)、玉泰塩舗(蒋介石生家)それぞれと並んでます。この順番で、最後に文昌閣(蒋介石夫婦旧居)、小洋房(蒋経国旧居)を見て、早くても、1時間半はかかります。

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多分このあたりで昼食を摂る時間になりますが、何処のレストランも混んでいますので、時間を節約するため、おにぎりを持ってくのが賢明です

午前中観光の街にもいっぱい地元の「小吃」があります。
千層餅、ジャンボ芋、桃などは地元の名物です。

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 写真:ジャンボ芋

12時、渓口から出て、雪窦(duo発音=豆)山へ移動。車で10分雪窦山風景区入り口到着。
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車では風景区に入れないので、駐車場に停め、風景区の大型バスに乗り換え、風景区に入りました。

15分間風景区の大型バスに乗り、山に登って、12時半に「御書亭」のバス停に到着、巨大な金色大仏像が見えてきます。宝殿で拝んだ後、順路に出たら、大仏の微笑みが目の前にあります。その微笑みのやさしさに心が癒されました。また大仏像の大きさ(高さ約57m)に感動しました。

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 13時に、「御書亭」のバス停に戻り、小型観光バスに乗り換えて、15分間で「三隠潭」バス停に着きました。 

「三隠潭」に上隠潭中隠潭下隠潭千丈岩妙高台など5ガ所の観光スポットがあります。これは雪窦(duo音=豆)山景色の中一番の見所です。見終わるまでには2時間半かかります。

「潭」は、深い池という意味です。

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写真:上隠潭
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写真:上隠潭
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写真:上隠潭
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写真:中隠潭
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写真:中隠潭
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写真:中隠潭
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写真:双龍入潭(2本の滝が同じ潭に落ちます)
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写真:下隠潭

山の階段を下ると、上隠潭、中隠潭、双龍入潭、下隠潭の順番で見る事が出来ます。下隠潭までは徒歩1時間半かかります。滝の音を聞きながら、緑いっぱいの自然の中で休日を過ごせるなんてなんという幸せ

ちょうど足が疲れたところでモノレール乗り場に着きました。モノレールとロープウェイの乗車券50元は別料金です。

モノレールに乗り、ちょうど良い足の休みになりました。

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 写真:モノレール乗り場

モノレールから降りてまた少し歩きます。ちょっと急な階段を登っていき、見上げると 千丈岩の滝が目に入ります。この滝は生命力あふれる勢いを感じさせ、その高さにも迫力を感じます。滝の横に書かれた千丈岩という三文字はいったいどうやって登って書いたのか とても不思議に思いました。

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 写真:下から見た「千丈岩の滝」

ロープウェイに乗り換え、山全体の景色を眺めて、赤い植物(もみじ?)はパッチワークのように山の緑の中入っています。

 ロープウェイから降りたら、妙高台に着きます。

妙高台は蒋介石の別荘です。妙高台この三文字は蒋介石の書いた文字だそうです。
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妙高台から千丈岩も見えます。展望するには最高の場所です。景色、空気また風水はすべて絶好です。時間に余裕があれば、もっともっとここの空気を吸っていたくなりますよ。

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 15時45分、妙高台から出て、下山の階段はとても緩やかで、歩きやすいです。

15時55分、千丈岩の入り口の門から出ました。バス乗り場に行って、大型バスに乗り、16時25分に雪窦山風景区入り口に戻りました

 本当に楽しい一日でした。

 うまく観光するためのPOIT~

①    午後雪窦(duo発音=豆)山に行くためには、

午前中に行く渓口蒋介石の故郷は12時には必ず出ましょう

風景区の閉門時間が早いので、

この記事のタイムスケジュールをぜひ参考にしてください

②    歩きやすい靴を履いていきましょう!!

③    午前中の観光は上記太字の地名の五つに絞って見ましょう。

④    雪窦(duo発音=豆)山の頂上は「徐fu岩」です。

千丈岩の滝よりすばらしいそうです。が、頂上まで行くには時間と体力ともに必要なので、一番見所の「三隠潭」に時間をかけてゆっくり観光した方が価値があると思います

(by大江)

 

雲南省普洱茶ツアー!(4日目)

~4日目~

朝8時半、お茶工場の見学に出発!と思いきや・・・
バスが来ないというアクシデントに遭い、結局遅れて10時出発に!
私はというと、スタッフながら前日のハードスケジュールで脱落してしまい(笑)
11時にホテルを出発、半に茶館に到着し、皆様と合流しました。
茶館に入ってすぐ、オーナーの女性の方に挨拶。
聞くところによると、茶文化交流に力を入れていらっしゃるとのことで、中国茶道界で大変有名なお方だそうです。
なんでも、あの北京オリンピックで茶芸を披露されたのだとか!
茶館には、40年代~60年代に至るまでのプレミアつきの普洱茶の他、日本や韓国・モロッコなどの各国の茶道具も展示されていました。
2階に上がり、美味しい普洱茶をいただきながら、昼食開始♪
お茶の保存の仕方や、台地茶・高山茶の違い、生茶・熟茶についてなど、様々なお話を聞くことができました。
この茶館でお買い物をした後、バスに乗ってまた別の茶館へ。
次の所では、本格的に茶芸を披露していただきました。
その後、お茶市場に移動して自由行動。
短い時間でしたが、皆様お買い物を楽しんでいらっしゃるようでした。
夕方になり、キノコの火鍋のお店で夕御飯。
見たこともない何十種類ものキノコを前にびっくり!
また、初めて八宝茶というものを飲みました!
八宝茶とは、茶葉の他に数種類の漢方素材(菊の花・棗・クコの実・龍眼などなど)をブレンドした美容健康茶のことで、お茶として飲むだけでなく、目で見て楽しんだり、飲んだ後は中身を食べることもできます。
漢方独特の味や香りにやや苦戦しましたが、毎日飲み続けたらお肌が綺麗になりそうだな~と思いました!
夕飯後、すぐにバスに乗り昆明空港へ移動。
夜8時の飛行機で上海へ・・・
到着してから荷物を受け取り、皆様がさよならの挨拶をする頃には、もう夜中の11時半を回っていました。
こうして、3泊4日の密度の濃ーい雲南旅行が終わったのでした!

お茶館に到着!
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2階でお昼を頂く。
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2軒目のお茶館にて。茶芸の実演を見学。
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お茶市場に移動。お茶のお買い物を楽しむ。
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きのこ鍋のお店に到着。
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様々な種類のきのこがずらり!
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八宝茶にお湯を注ぐ店員さん。
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八宝茶を飲みながらきのこ鍋を味わう♪
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急な予定変更に長すぎる移動時間など、バタバタしてハードな旅行だったため、お客様には大変ご負担をかけてしまったことと思います。
ただ、何の事故もなく無事ツアーを終了させることができたので、そこのところは本当に良かったと思います。
お客様の声を参考にし、今後よりよいツアーを提案して参りますので、これからも心也清茶社を宜しくお願い致します。
雲南旅行にご参加されたお客様、本当にお疲れ様でした!
ゆっくり休んでくださいね!

雲南省普洱茶ツアー!(3日目)

~3日目~

朝食を済ませて、朝8時にホテルを出発!
2時間半ほど、バスで塗装されていない山道をひたすら走る!
ベトナムとミャンマーの国境そばまで来ていると聞いて胸がわくわく。
連日雨が降り続いていたようで、道が泥でぐちゃぐちゃ状態。
途中、バスが泥にはまってしまったり、バス酔いしてしまうお客様もいらっしゃいましたが、なんとか古茶樹(古いお茶の樹)付近に到着。
バスを降りると・・・牛やロバ、ヤギに子豚が道を歩いてる!
雲南の大自然の景色を堪能しながら、テクテク山登り。
辺り一面にお茶畑・茶樹が広がり、野生なのか飼われているのか分からない鶏が目の前を横切ったり・・・
どこからかヒヨコの鳴き声も聞こえてきました。
そんなこんなで、やっとの思いで古茶樹に到着!
樹齢3200年のお茶の神様を前に、ツアー参加者全員祈りを捧げました。
その後バスに乗って、2時間かけて山を下り、それからレストランで昼食をとったのですが・・・
そこで、テーブルの上にギョッとするようなものが!
なんと、蜂の幼虫を揚げたお料理がありました(泣)
聞くところによると、地元の名物料理なのだそうです!
自分は勇気がなくて食べられませんでしたが、カルシウムや蛋白質が豊富で体に良いとのことでした!
昼食後は、雲南滇紅集団という会社の新工場を見学。
それからその会社の博物館に移動し、会社の歴史や販売している商品について説明を聞きました。
その後、茶葉研究所に行き様々な茶樹を観賞、「中国紅」というこの会社が販売している特級レベルの紅茶をご馳走になりました。
大変まろやか、上品な味わいでとても美味しかったです♪
なんでも、18種類のお茶の葉をブレンドしたもので、1キロ6万元(日本円にして約73万円!)もする高級なお茶とのことでした。
また、帰り際に研究所長様からツアー参加者全員にお茶のプレゼントがあり、ただただびっくり!
何度もお礼を言って別れを告げた後、6時半から夕食開始。
7時45分、再びバスに乗って鳳慶を出発!
それからずーっと8時間(!)乗り続け・・・
昆明のホテルに着く頃には、翌日の明け方4時を回っていました。
夜行バス状態でした!
ハードすぎる旅行3日目でした(爆)

泥にはまるバス。
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農家のニワトリ。
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どこからともなくロバが出現!
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辺りに広がるお茶畑。
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やっとの思いで古茶樹に到着!
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滇紅集団の博物館にて。展示されている資料を見ながら説明を受ける。
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茶葉研究所にて。様々な茶葉を観賞。
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見学終了後、夕飯。美味しいご飯を食べてホッと一息。
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雲南省普洱茶ツアー!(2日目)

~2日目~

朝食を済ませ、朝8時にホテルを出発。
途中、バスを降りて集合写真撮影!
9時になって、雲南下関沱茶というお茶工場に到着し、社員の方から工場の沿革や生産しているお茶の説明をしていただきました。
沱茶とは、お椀のような形をした緊圧茶のことで、1902年から製造されており、もう100年以上の歴史があるとのこと。
また、沱茶の名前の由来について、唐・宋代にあった「団茶」から来たという説と、四川省の沱江という場所で販売されていたためこの名前がついたという2つの説があるそうです。
大理は歴史上、「茶馬古道」と呼ばれる雲南・チベットルートを結ぶ重要な貿易の中心地であり、大理の南に位置する下関で生産された普洱の沱茶は最高品質で、広くその名を知られているとのことでした。
見学が終わり、販売店に移動してお茶の買い物を楽しんだ後、さてこれから昼食!の予定だったのですが・・・
時間が大変切羽詰っており、バスの中でお昼を食べることに。昼食の甘い焼餅を食べながら、窓に映る風景を眺めて・・・
バスが走り続けること4時間半、鳳慶の龍潤茶業という工場に到着しました。
入り口を入るとすぐに、社員の方から白衣やマスク・帽子を着用するよう指示されてびっくり!
皆様、手術のお医者様のような格好をして工場の中へ。
CTC製法の機械の前で説明を受けるも、オフシーズンのため機械が稼働しておらず・・・
お話を聞いても、なんだか実感がわかなくてモヤモヤ状態でしたが、その後普洱の餅茶の製造過程を実際に見ることができたので、大変良かったと思います。(写真撮影OKだったらもっと良かったのに!)
その後、事務所のような所に通され、社員の方から特級紅茶をご馳走になりホッと一息。
お礼を言って工場をあとにする頃には、もう夕方の6時を過ぎていました。
レストランで約1時間かけて夕食をとった後、お茶のお店に行って様々なお茶を試飲、皆様お買い物を楽しんでいらっしゃいました。
夜の10時になり、宿泊先のホテルに到着したのですが、お湯が出なかったり虫が湧いたりで・・・(笑)
お客様とキャーキャー騒ぎながら旅行2日目が終了したのでした(爆)

バスを降りて。蒼山の綺麗な景色にうっとり。
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衣装を着た白族の少女たち。
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下関沱茶有限公司に到着。
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会社敷地内の沱茶博物館。
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お店でお茶のお買い物♪
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メコン川。ベトナムとミャンマーの国境付近にて。
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長閑な風景。
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道端でヤギを発見!
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龍潤茶業に到着。白衣・マスク・帽子を着用して工場の中へ。
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レストランにて夕食。
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雲南省普洱茶ツアー!(1日目)

11月6日(日)~9日(水)にかけて、心也清が雲南省普洱茶ツアーを実施しました♪

~1日目~

朝6時15分、虹橋空港第2ターミナルに集合!
チェックインカウンター前で、お客様19名と大江講師・福井講師に私スタッフ田村の総勢22名が顔合わせ。
その後、7時30分の飛行機で昆明に向けて出発!
約3時間半のフライトで現地に到着しました。
昆明は標高1900mの高原だと聞いていたので、11月だし気温が低く寒いのかなと予想していたのですが・・・
実際は、日差しが肌に突き刺さるように強く、下手すると汗をかいてしまうような、大変暖かい陽気でした。
それから、空港を出てすぐにバスに乗り、美味しい雲南料理が味わえるレストランへ。
そこで昼食を楽しんだ後、再びバスに乗り、約4時間かけて大理という場所に到着!
大理は、雲南でも人気の観光地であり、蒼山と洱海という湖を控えた大変風光明媚な土地です。
自然や町並みがとても綺麗でしたが、その風景は風花雪月(日本語で花鳥風月の意)と言われるほどだとか。
また、少数民族の白族が住む町でもあり、かつて宋の時代に白族の統治した国があったとのことです。
それから、皆様がご存知のあの大理石!
ここ大理で採掘されるから大理石という名前がついたのだそうです。
さて、話を戻しまして・・・
宿泊先のホテルに着く頃には、もう夕方の5時を回っていました。
バスを降りてびっくり!
山間部なだけあって、すごく冷えるんです。
昼間はあんなに暖かかったのに。
昆明とは気候が違うなと思いました。
部屋に荷物を置いて少し休憩してから、近くのレストランに移動、夕飯開始!
皆様、大理の名物料理を食べながら、地元の梅で作った梅酒を飲んでほろ酔い気分に♪
夕飯後は、ホテルそばの町を2時間ほど散策しました。
移動に殆んど時間を費やした1日目でした!

昆明に到着!
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バスに乗ってレストランへ。
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美味しい雲南料理を味わう♪
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約4時間かけて大理に移動。
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宿泊先のホテルに到着。
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ホテルの敷地内で。綺麗な蒼山を望む。
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夕食をとりにレストランへ。
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大理料理を楽しむ♪
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夕食後、夜の大理をぶらぶら。
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大江講師が中国国際茶文化研究会に参加!

大江講師が、9月17~19日にかけて杭州にて行なわれた中国国際茶文化研究会に参加しました!
静岡芸術大学の熊倉功夫教授、静岡産業大学中村羊一郎教授、東京学芸大学高橋忠彦教授、文教大学中村修也教授の日本人4人と、浙江農林大学姚国坤教授、浙江樹人大学関剣平副研究員などの中国人を中心に会議が進められ、大江講師は陸羽の茶経に関する研究結果の通訳を担当しました。
17~18日までの2日間、朝の9時から夕方6時に至るまで茶経研究の発表が行なわれ、19日は陸羽の第二の故郷である湖州の長興を視察しました。

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通訳する大江講師。
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長興にて。
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陸羽像。
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峠に生い茂る茶樹。
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心也清~福鼎白茶杯~第三届海峡茶芸電視公開賽で茶芸を披露!

—- 2011年7月25日開催

 前回、オールド上海でお世話になった呉先生が別れ際に、「明日から中国全土あちこち回って、来週また上海に来るのよ。上海来る理由って言うのが、茶芸コンテストがあってそこで審査員として招待されているの。」とおっしゃるので、私達3人がコンテストについてあれこれ質問していたら、呉先生「あなた達も来る?」っとおっしゃって下さって、私達即「是非❤行きたいです!」と返答。呉先生「じゃあ、どうせ来るなら、茶芸やったら?」、私達「えええええ~~~?」、大江先生「あらいいじゃない、みんな資格持ってるんだし、やってみたら?」、呉先生「じゃあ、そういうことで。会場で待ってるわねー。」という流れで、呉先生の国家レベルの茶芸を見せて頂いたばかりなのに、恐れ多くも茶芸をやらせて頂くことになってしまいました!
 
 さて、ここからです。翌日、心也清に行って茶席の打ち合わせ。大江先生は自由にやらせてくださる方なので、自由過ぎてどうしたらいいかちょっと困る私達。とりあえず、原案を考えて、先生にアドバイスを頂きながら茶席を組み立てることにしました。さて、何茶の茶芸にしましょうか?数年前生徒さんが展覧会で茶芸をされた時は「台湾工夫茶」だったそうなので、今回は「闽北烏龍茶茶芸」にすることになりました。そこから茶器の組み合わせを考えます。「闽北烏龍茶茶芸」とは闽北=武夷山=岩茶の故郷の茶芸ということです。女性らしく華やかな台湾工夫茶に比べて、闽北烏龍茶茶芸は仙人がいると言われる武夷山のように落ち着いた雰囲気があります。
よって、紫砂で作った丸い茶盤、紫砂壷、そして紫砂に合うように白地に藍色の図案が入っている杯子・茶缶を用意しました。次に用意した茶具に合うように、テーブルセッティングを考えていきます。テーブルクロスやフラワーアレンジメントをどうするか、先生にアドバイスを頂きながら、「こうしたらどうかな?」「こういうのは?」といろいろ試しながら、「これがいいね」、「これは思ったほどの効果がないね」などと言いながら自分達の茶席を設計していく過程はとても面白いです。自分にはない他の方のアイディアを勉強することができますし、新しい発見が沢山あります。 


茶席の構想が決まったら、あとは3人で茶芸を練習。一人で滞りなく茶芸をするだけでもそれなりの努力が必要なのに、その上みんなでタイミングを揃えるとなると、これまた細かい打ち合わせが必要になるのです。本番までの数日、何度も練習し、試行錯誤を繰り返し、そして先生にチェックして頂きながら、見栄えのする茶芸になんとか仕上げることができました。
茶席を明るく華やかにしてくれるお花は、当日先生と一緒に花市場に買いに行きました。これも中国の便利な所ですね。それぞれの地区に花市場があって、安く新鮮なお花が手に入ります。茶席のコーディネートに合うお花で、かつ季節感も出したい。ということで、今回は4つのフラワーアレンジメントうち、二つを同じ、残りの二つは違うテイストで、計3種類を作ることにしました。選ばれた花材はアジサイと蓮の花とひまわり。ひまわり以外はピンクっぽいテイストで。フラワーアレンジメントをいつもされている大江先生の花材選びはとても勉強になります。その後、大至急心也清に戻って、先生のフラワーアレンジメント作りがはじまります。先生は既に頭の中にある程度の構想がおありのようで、あっという間にどんどん素敵なお花が出来上がって行きます。



前回と同様、必要な道具や音響設備は自分達で用意していかないといけません。大きなカバンに沢山の荷物を詰めて出発。

会場は上海の中心地にあるビルの45階「上海星公館」という高級クラブの中。まるでホテルのようなサービスです。会場に入るとステージがあり、脇にはバイキング形式の軽食とワインやらビールが並んでいます。私達が茶芸を披露させて頂く「海峡茶芸電視公開賽」は、10数人のモデルのような若い中国人女性が美しさだけでなく、茶芸やその他一芸を披露して、総合点で上海地区代表に選ばれ、選ばれた人は全国大会にも出場できるというもののようです。美人コンテストに一芸として茶芸が追加されたような感じでしょうか?そこでは既に10数人の中国人の若い女性達が控室で、茶芸の最終確認をしたり、プロのメイクさんにメイクをして貰っていたり、衣装の確認などをしながらかなり緊張感の漂う雰囲気。



一方、心也清チームは、私達3人と先生と小孫ちゃん、そして今回この私達の茶芸に頼もしいサポーターとして、先日茶芸師の資格試験が終わったばかりの5名の皆さんが一緒に参加してくれることになりました。そのうち3名が色違いのお揃いのチャイナドレスで審査員にお茶を運んでくれる役、2名がお茶を配ってくれる役を引き受けてくれて、それ以外にも沢山の細かい裏方までやってくれました。私達は美人コンテスト出場の皆さんに便乗して、プロの方にメイクまでして頂きました。ちょっと本格的。みんなでワイワイガヤガヤ、打ち合わせをしながら、控室でリハーサルをする私達。ちょっと緊張してきた…。



そしてコンテストの終盤、私達の出番です。国際交流の一環とでもいう感じでしょうか?外国人が中国茶茶芸を勉強しているんですよ、みたいな説明が入って、いよいよ入場。スポットライトがあたる中、結構な人数の観客と審査員の方々を前に、茶芸が始まりました。ちょっと緊張したけれど、心也清の仲間と先生に見守られ、楽しく茶芸ができました。3人で合わせるポイントが次々に合っていくと、だんだん気持ちも乗ってきます。大勢の皆さんの前で茶芸をする緊張感と楽しさが相まって、ちょっと病みつきになりそうです。サポート役の5人の皆さんのおかげで、審査員と一部のお客様に無事お茶リレー完了。後で伺ったお話では、心也清から持ってきた岩茶の一種である「大紅袍」は審査員の方に大好評だったそうです。



大成功に終わり、自分達なりに達成感を感じた私達は、ワインやデザートをちょっと頂きながら、美人コンテストを見学。みんなでセレブなひとときを楽しませて頂きました。
最後にテレビ局のインタビューを受けました。放送されるのかなあ。



今回もお茶を通して沢山の貴重な体験をさせて頂きました。茶席設計から、複数人で行う見せる茶芸、緊張感の中で茶芸を披露することなど、沢山の貴重な体験ができたことに、またまた感謝です!

寄稿by田中 奈穂子

心也清~オールド上海パーティー~にて茶芸を披露!

2011年7月17日静安寺道路向かいのダンスホール「百楽門」にてオールド上海パーティーが行われました。そこで心也清は茶芸を提供することになりました。



まず、≪オールド上海パーティー≫とはどんな活動でしょう?男女それぞれ参加者は、チャイナドレスや中国スタイルのファッションに身を包み、オールド上海を感じられる場所で、お酒やおしゃべりを楽しむ集まりだそうで、2009年から行われている活動です。
この開催場所である「百楽門」もガイドブック等でご存知の方もいらっしゃることでしょう。1930年代東洋のパリ、魔都と言われた上海で、一斉風靡した極東随一のネオンが輝くダンスホールそれが「PARAMAOUNT(百楽門)」だそうです。李香蘭やチャップリンも訪れた所だとか。
オールド上海パーティーは、1930年代の上海にタイムスリップし、大人の上海モダンを楽しみましょうという素敵な企画なのです。
もともと3月19日開催予定でしたが、震災の影響で延期され、7月に再び実現に至ったものだそうです。

そこの企画者の方から心也清に、オールド上海を楽しむ一環として、中国茶ルームをセッティングして下さいという依頼を頂きました。そこで、大江先生監修の元、私達生徒3人にオールド上海パーティー内での心也清喫茶ルーム設置のミッションが託されました。丁度、心也清では中・高級茶芸師資格講座の真っ最中であったため、茶芸講師として来られていた大先生に茶芸を披露して頂けることになりました。大先生とは呉雅真先生です。中国で2人しかもっておられないという中国茶芸表演芸術家という肩書きをお持ちで、日本でもお馴染の某有名飲料メーカーの烏龍茶のCMに出られたこともある大変権威のある方です。呉先生の茶芸を拝見できると聞いただけで嬉しくなってしまいました。

さてさて、ここからが大仕事でした。連絡を頂いてから当日まで数日しかなく、先生方は資格試験で連日大忙し。そして会場を見たこともない私達が、どうやって心也清喫茶ルームを開設しましょう?オールド上海パーティーの趣旨にあった喫茶ルームを設置し、そこで中国茶の魅力も感じて頂きたいと思った私達。まずは、大江先生経由で主催者の方と連絡をとって頂き、部屋の間取り、向こう側で揃えられる道具(机や水や音響など)を確認して貰いました。その上で、どのような茶芸を先生に披露して頂くか、そして先生の茶芸を皆さんに楽しんで頂きながら、お茶や音楽をどのように提供していくかを考えて行きました。
まず、何の茶芸をやるか?今回は、季節が夏だったので、涼しくすっきりするお茶が良いのではないかということと、やはり中国を代表するお茶と言えばということで、“西湖龍井(緑茶)”に決まりました。
そして茶芸をして下さる呉雅真先生が茶席設定をはじめられました。緑茶ということで、茶道具はすべてガラスで統一、ガラスのガイワンも茶缶に変身、茶杯はちょっと西洋テイストも取り入れながら用意されていました。その他、テーブルクロスや植物を準備、先生の指示に従って次から次へと心也清の道具が机の上に広げられていきます。そして大部分の道具が揃った所で、先生が仮の表演を開始。表演をしながら、先生の直感に従って、セッティングや表演が調整されていきます。その茶席を構築する過程が大変勉強になりました。


そしてその次に20人程度のお客様へ一度に提供するお茶をどのタイミングでご用意するか、音楽・テーブルセッティング・表演の後の中国茶紹介をどうするかなど、あれこれみんなで相談しながら道具を準備していきました。テーブルや椅子、ポットに、お茶道具に、ラジカセと意外と荷物がかさむのです。

いよいよ当日。開場前に会場入り。初めて中に入る百楽門。映画の撮影所かと間違えてしまうほど、オールド上海の雰囲気が漂っています。建物全体に古き良き時代の上海がそのまま残されている感じです。ちょっとドキドキしながら入場。荷物を中に入れて、場所の確認。ところが、最初に通された場所はあまりにも暑い!空調の効きが悪いのでしょう。主催者の方に交渉して、場所の変更をお願いし、またまた荷物の移動。今度の部屋はこじんまりしていて、クーラーの効きも良くって良い感じ!そこで急いでセッティング。そして私達も心也清から提供して頂いたお揃いの中国服の制服を着て待機。先生達も試験終了後そのまま駆けつけて下さって、無事時間前に到着。これで準備完了。私達の隣の大ホールでは、カップル・友人同士・お子様連れ問わず、各自ご自慢の服で、個性的かつオールド上海な雰囲気で入場されていきます。本当に1930年代にタイムスリップしたかのような気分になってしまいました。

そして本番!大ホールで告知があり、皆さん心也清喫茶に集まって来ました。そしてソファーに座ってくつろいでいらっしゃる所に、今日のテーマである西湖龍井をご提供。そしてある程度人数が集まって来られた所で、呉先生の茶芸開始です。先生の茶芸はとても優雅。そのお手前はさることながら、先生が茶芸を通して作り上げる雰囲気は、まるでお客様を連れて西湖でお茶会をしているかのようです。暑い夏でしたが、先生の茶芸を見ながらお茶を頂けば、暑さも吹き飛び、すっきりした気分になれることでしょう。
先生の茶芸が終わった後は、一部のお客様からのリクエストに合わせて、他の中国茶をご紹介したり、淹れたりしながら、無事心也清喫茶は終了しました。



そして大仕事も終わり、大ホールを見学。オールド上海の雰囲気がそのまま残された大きなダンスホールで、中国服をまとった皆さんはお食事したり、お酒を飲んだり、とても盛り上がっていました。途中、参加者全員が順番にステージをモデル歩きしながらのファッションショー&コンテスト。レトロなものから現代的なものまでいろいろな中国風ドレスがあったり、女性だけでなく、男性や小さなお子様までも中国服を着ていたり、見どころ一杯の楽しいショーでした。



今回オールド上海を通して感じたこと。2011年に上海に住む私達が、1930年代にタイムスリップした気分になれたことで、いつもの上海とは違う一面を楽しむことができたこと。
そして呉先生の茶芸を通して、昔も今もずっと存在し続ける中国茶の魅力を感じることができました。普段は道具の揃った教室で、少人数でお茶を飲むことが多い中、大人数でかつ中国茶に初めて触れる方に、茶席を作り、美味しいお茶を提供するという貴重な経験を得ました。このような機会を得ることができたことに心より感謝いたします。これからは教室以外での茶芸ももっと勉強していきたいなあと思いました。
皆さんも機会がありましたら、百楽門を訪れてみてはいかが?

寄稿by田中 奈穂子