安渓鉄観音と土楼の旅(二日目、三日目)

6月21日(日曜日)・22日(月曜日)

朝からあいにくの雨。台風3号が近づいてきているので(事故も怖いし道路が封鎖されるのも怖いし)バスで何時間もかけて南靖の土楼に行くのではなく、華安土楼に行こう、そして午前中はゆっくりとお茶作りを見よう、ということになりました。

私たちが泊まった華祥苑の工場の茶葉は次の工程に移るのに充分なだけの発酵が進んでおらず、また、雨で湿気が多いため、次の工程に移る予定時刻は午後になるとのこと。

ちょっとだけなら、作るのを見せてあげるよ、後からフォローすれば美味しいお茶になるから、と工場長さんの優しいお申し出があったのですが、福井先生が「ここの茶葉はとても高価だし、良いものです。申し訳ないので断ります」とおっしゃいました。

工場長さんのやさしさも、福井先生のお人柄も、とても素晴らしいなぁと思いつつ、昨日行った安渓県立農茶葉専業合作社に行きました。徐老師が電話をしてくださったお陰か、日曜日だというのにお店を開けていてくださり、そこで揺青と晾青が終わった後の工程を見ました。

まず、殺青。円筒式殺青機にかけ、発酵を止めます。

その後、布袋につめて、鉄棒みたいな機械にかけました。スイッチを押すと、器械体操の「大車輪」みたいに茶葉を入れた袋がくるくる回ります。地面においてある、大理石の石にたたきつけられるようになっていて、「ぱーん、ぱーん」という音が響きわたりました。

この作業は茶葉が発酵し過ぎて赤くなった部分を取る作業で、「去紅辺」というそうです。その後、大きな竹ざるに移し、ふるいをかけて茶抹という、細かくなったお茶を落としてから、布袋につめ始めました。

いよいよ、鉄観音の形を作る「揉み」の作業に移ります。平揉機という機械にはゴロゴロと回るローラーと、それをコントロールするペダルのようなものが、ミシ ンのように2つ、ついていました。布袋につまった茶葉は、ゴロゴロと回るローラーで回るうちに小さくなっていきます。ペダルを踏んで、ローラーの幅を狭め たり広げたりされて、どんどん小さく、丸い形になっていきました。そして鉄の棒を使って、くるくると綺麗に袋の端を閉じて、巨大な(たぶん一抱えくらいある)肉まんのような形になった茶葉を、包揉機にかけました。

包揉機というのは、茶葉に上から圧力を加えながら、円盤状のところをくるくると回らせる機械でした。

こうして、茶葉を鉄観音の形に丸めるのですが、もちろん1回でこの形になるわけではなく、10回ほど平揉と包揉を繰り返すのだそうです。

包揉を終えるたびに円筒式の解塊機にかけ、大きな塊となった茶葉を解き、茶抹を取り除く作業をしていました。

乾燥の過程は見ることが出来ませんでしたが、包揉の過程を見ることが出来、大満足でした。

その後、試飲をして農家の方が自分たちで飲んでいるという鉄観音の老茶を買い、またお土産ももらい、土楼を目指しました。

二宜楼という、「山と水が宜しい」という意味の土楼と、土楼博物館をガイドさん付けで観光しました。
二宜楼にはロンドンのビッグベンを模して描かれた窓を飾る壁画やニューヨークタイムス紙を部屋に張っていた後などがあり、とても興味深かったです。斗栱の装飾や、土楼建築がかなり風水を意識して作られていたこともガイドさんとそれを通訳してくださった福井先生のおかげで詳しくなることが出来ました。
博物館には、お茶作りの道具が飾ってありました。博物館内では写真撮影が禁止だったため、写真に撮ることが出来ずとても残念でした。

その後、アモイに戻り、豪華な海鮮ディナーを食べてから上海に戻るはずでしたが、台風のため、飛行機が全便欠航となりました。

欠 航になるって知っていたら、もっとゆっくりディナーを堪能したかったなぁ、と思いつつ、土曜日よりも前に台風が来ていたら茶摘はされず、よってお茶作りも見ることが出来なかったということに気づき、お茶作りを見ることが出来た幸運をかみ締めました。騒いだり落ち込んでどうにかなるならそうしますが、出来ることは前向きになることだけです。
え?泊まるホテルの朝ごはんが美味しいんですか?いっやー、楽しみだわぁ。

翌日、朝ごはんを堪能してから無事に上海に戻って来れたときは本当にうれしかったです。トラブルに遭った時にパニックにならず、きっと大丈夫だ、と思えたのは友人たちと一緒にいたこと、そして全面的に信頼できる、福井先生が一緒だったからだと思います。12名もの人数のホテルを当日予約し、翌日の午前中の便を取ることはきっととても大変だったと思います。勿論、初日に泊まったお茶工場にある宿泊施設も、心也清でなければ泊まれなかったことでしょう。素晴らしい企画と、楽しいツアーをありがとうございました。


見学した福建土楼の入り口。


福建土楼「二宜楼」の中の風景。


「二宜楼」の上から眺めた風景。


福建土楼「二宜楼」の中から外を眺めた風景。


ホテル近くのアモイ町の夜景。


アモイ風景のひとコマ。

寄稿byとおこ