宜興紫砂壷見学の旅(上)

朝の7時半に万科広場に集まり、大型バスで宜興に行きました。
宜興は紫砂壷で有名な町です。
今日の主な目的は、人間国宝の徐秀棠さんの自宅兼会社にお邪魔して、壷(急須)作りを見学すること、宜興陶磁博物館に行くことです。

徐秀棠さんの自宅兼会社
とても残念なことに、徐秀棠さんは北京に行っており、不在とのことでした。
大江先生が「徐秀棠さんの手はとっても柔らかいから、是非皆にも握手してもらいたかったなぁ」とおっしゃっていました。


徐秀棠さんの作業室

会社の2階は工房になっており、来年の干支であるネズミの形の貯金箱や置物をお弟子さんたちが一心不乱に作っていました。


徐秀棠さんのお弟子さんがネズミの形の貯金箱を作っていました。

工房の一角で、弟子の男性が壷(急須)作りを実演してくださいました。


ブロック状の泥をメスのようなナイフで切り、搭子と呼ばれる道具で叩くと、みるみるうちに円状になりました。


ブロック状の泥を円状にする実演風景。

同じようにもうひとつ円状を作ったあと、大きめに泥を切って叩くと、今度は長方形っぽい形になりました。


ブロック状の泥を長方形っぽい形にする実演風景。

ロクロの上に円形の泥を置き、規車と呼ばれる竹と錐で出来た道具(コンパスのようなもので、コンパスの鉛筆部分が錐で出来ており、ちゃんとした円形に切ることが出来る)を使い、形を整えます。


コンパスのようなものでちゃんとした円形の形を整える実演風景。

長方形っぽいものも定規と規車を使い、ちゃんとした長方形にし、ロクロの上の円形の泥にあわせて切って張り合わせた後(このとき切り口をナナメ45度の角度で切ると、接続面がぼこぼこにならず、また、接着力も強い)、ロクロをまわしながら拍子と呼ばれるおしゃもじのようなものでペシペシ叩いていくと、みるみる側面が綺麗なカーブを作り、丸くなっていきます。


定規と規車でちゃんとした長方形に整形する実演風景。

すごいなぁ、と思ったのは、このペシペシで綺麗にカーブをしたてっぺんに、目測で測って円形にした蓋を載せたら、ピタリと同じ大きさだった時です。


別々に作った蓋と本体をピタリあわせた作業風景。

ペシペシ後も円形を保っていたことにも、目測でその円形の大きさを把握していたことにもびっくりしました。これぞ匠の技、という感じです。
そういえば、搭子と呼ばれる道具はマホガニー(紅木)で出来ていました。
匠は道具にもこだわるんですね。
記念にこのお弟子さんが作った壷を買って帰ろう、と3階にあるショップを見たら彼の一番安い作品が4,000元…前言撤回。目の保養目の保養…いやぁ、良い仕事していますねぇ。
眼福と言えば、徐秀棠さんの自宅の2階は徐秀棠さんの作品展示室になっており、そちらもとても素晴らしかったです。徐秀棠さんは彫像もお得意なのか、壷だけでなく、とても精密な人物像などもたくさんありました。


徐秀棠さん作品展示室の作品(1)


徐秀棠さん作品展示室の作品(2)

その後、庭にある窯跡を見学した後、記念写真を撮りました。


登り釜の写真

続く
寄稿by東塚洋子
写真by心也清茶社

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