武夷山茶工場見学ツアー・レポート(その一)

先週週末に「心也清茶社」主催の「武夷山茶工場見学ツアー」に参加してきました。
おかけ様で個人で行ったら1週間かけても出来ないような貴重な体験をさせていただきました。
具体的には、武夷山に夜に着いて、二日目は午前は紅茶の発祥の地と代々続く紅茶一族の22代目に会いに行き、夜は大紅袍製作工芸伝承人・劉宝順さんの岩茶研究所を訪ね、最終日は朝から登山…というか風景区にある茶園と大紅袍の母樹のために頑張ってエンヤコラした後、いかだで渓流下りをして、夜は大紅袍製作工芸伝承人かつ23年間も母大紅袍の母樹を守り、ついでにその茶葉でお茶を作っていたという王順明さんのご自宅にお邪魔するという本当に夢のように楽しいツアーでした。

ホテルについて
私たちが泊まったのは、武夷山荘という4ツ星ホテルです。
「ここのホテルは武夷山で一番いいホテルで、お庭がとっても素敵なの」と同室になったSさんが教えて下ったので、朝の6時半に部屋を出て、お庭を散策しました。


「武夷山荘」の庭の一角。

庭への入り口がなかなかわからず、迷ったりもしましたが、無事庭に出ると、目の前には広々とした芝生と雄大な幔亭峰が。


「武夷山荘」から見た幔亭峰。

綺麗な山の空気を吸いながら、本当に武夷山に来たんだという実感と感動を味わえる、素敵なホテルでした。


庭園風景の「武夷山荘」ホテル。

食事は朝はバイキングだったのですが、お粥やスープ、ワンタン、麺などほぼ全てのお料理を満喫したところ、全て美味しかったです。ランチで別のレストランにも行きましたが、そこも美味しかったです。
おかげで体重計に乗るのが怖い…お、お茶って痩せますよね?


「武夷山荘」のレストランの一角。

紅茶の発祥地・桐木関について
「一番古い紅茶工場」と武夷山正山茶業有限公司に行きました。
まず行ったのは紅茶工場でした。工場は古くて埃っぽい木造の建築物に、瓦の落ちた屋根だったので最初はてっきり廃屋だと思ったら現役だそうです。


現役の紅茶工場の外見。

1階には紅茶を作るための様々な専門用具や機械が置かれていました。
ギシギシ言う階段を昇ると3階に竹のムシロを敷いた部屋がありました(2階は温度が高すぎるので使われないとのこと)。


工場見学者がギシギシ言う階段を登っている風景。


工場の3階にある竹のムシロを敷いた部屋。

地下には炉と燻すための松の薪が置かれていました。また、茶畑もあり、綺麗な白い花をつけていました。

その後、バスですぐ近くにある正山茶業有限公司に行き、菫事長・江元勛さん(15世紀からラプサンスーチョンを代々作り続けた『茶業世家』の22代目)にお話を伺いました。


「武夷山正山茶業有限公司」に到着。


正山茶業有限公司菫事長・江さんの説明を受けている風景。

18世紀にはBOHEAという紅茶が中国紅茶では最高のものであるとされたこと、BOHEAの名前の起源は武夷の地名であること、武夷茶は阿片戦争やボストンティーパーティ事件の原因ともなったこと、17世紀イギリスの有名な詩人バイロンが書いた「Don Juan(中国語では『唐[王黄]』、スペイン語ではドンファン)」という名著の中で主役のドンファンの言葉として「自分が悔やんでいることに気づいたとき、僕は武夷山産のBOHEAに頼る。残念なことにワインは有害だ、紅茶と珈琲だけが僕を真面目にしてくれる」とラプサンスーチョン(文中にあるBOHEA)を讃えている …などなど。


正山小種紅茶の発祥地にて写真撮影。

百聞は一見に如かず。というか「イチ飲に如かず」という感じです。
出していただいたラプサンスーチョンはものすごく美味しくてびっくりしました。
私は煙臭い(というか某漢方薬・正露○臭い)ものだと思ってラプサンスーチョンは敬遠していたのですが、目からウロコというか鼻と口からウロコというか、本当に美味しかったです。


紅茶ラプサンスーチョンを試飲している風景。

江さん曰く、「今お出ししたラプサンスーチョンは、伝統的な製法で作ったものです」「干した龍眼の香りがするはずです(※私には干した龍眼の香りがわからないのですがとても良い香りでした)」「煙臭いラプサンスーチョンは阿片戦争以降に作られたものです」「中国以外で飲まれるラプサンスーチョンは中国では煙小種と言います」などなど。
お話の後、お茶の試飲班と江さんの握手・写真・サイン会班に別れて行動しました。


ラプサンスーチョン茶の外形を見ている様子。


江さんからサインを頂いている風景。

信楽焼きのタヌキのように人の良さそうなおっちゃん(失礼)がその一瞬、アイドルスターのように輝いて見えたのは…お茶で酔っ払ったからでしょうか。
横転事故の影響による渋滞・竹の木こりさん?達による道路占領・道路を占拠する黒い犬など次から次へと色々なものに行く手を阻まれつつ、3時間強かけて行った甲斐、大アリでした。


行く道で遭遇した車横転事故。


わけの分からない竹が道を塞いでいる様子。


車渋滞の列。

続く
寄稿by東塚洋子
写真by心也清茶社

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>