心也清~オールド上海パーティー~にて茶芸を披露!

2011年7月17日静安寺道路向かいのダンスホール「百楽門」にてオールド上海パーティーが行われました。そこで心也清は茶芸を提供することになりました。



まず、≪オールド上海パーティー≫とはどんな活動でしょう?男女それぞれ参加者は、チャイナドレスや中国スタイルのファッションに身を包み、オールド上海を感じられる場所で、お酒やおしゃべりを楽しむ集まりだそうで、2009年から行われている活動です。
この開催場所である「百楽門」もガイドブック等でご存知の方もいらっしゃることでしょう。1930年代東洋のパリ、魔都と言われた上海で、一斉風靡した極東随一のネオンが輝くダンスホールそれが「PARAMAOUNT(百楽門)」だそうです。李香蘭やチャップリンも訪れた所だとか。
オールド上海パーティーは、1930年代の上海にタイムスリップし、大人の上海モダンを楽しみましょうという素敵な企画なのです。
もともと3月19日開催予定でしたが、震災の影響で延期され、7月に再び実現に至ったものだそうです。

そこの企画者の方から心也清に、オールド上海を楽しむ一環として、中国茶ルームをセッティングして下さいという依頼を頂きました。そこで、大江先生監修の元、私達生徒3人にオールド上海パーティー内での心也清喫茶ルーム設置のミッションが託されました。丁度、心也清では中・高級茶芸師資格講座の真っ最中であったため、茶芸講師として来られていた大先生に茶芸を披露して頂けることになりました。大先生とは呉雅真先生です。中国で2人しかもっておられないという中国茶芸表演芸術家という肩書きをお持ちで、日本でもお馴染の某有名飲料メーカーの烏龍茶のCMに出られたこともある大変権威のある方です。呉先生の茶芸を拝見できると聞いただけで嬉しくなってしまいました。

さてさて、ここからが大仕事でした。連絡を頂いてから当日まで数日しかなく、先生方は資格試験で連日大忙し。そして会場を見たこともない私達が、どうやって心也清喫茶ルームを開設しましょう?オールド上海パーティーの趣旨にあった喫茶ルームを設置し、そこで中国茶の魅力も感じて頂きたいと思った私達。まずは、大江先生経由で主催者の方と連絡をとって頂き、部屋の間取り、向こう側で揃えられる道具(机や水や音響など)を確認して貰いました。その上で、どのような茶芸を先生に披露して頂くか、そして先生の茶芸を皆さんに楽しんで頂きながら、お茶や音楽をどのように提供していくかを考えて行きました。
まず、何の茶芸をやるか?今回は、季節が夏だったので、涼しくすっきりするお茶が良いのではないかということと、やはり中国を代表するお茶と言えばということで、“西湖龍井(緑茶)”に決まりました。
そして茶芸をして下さる呉雅真先生が茶席設定をはじめられました。緑茶ということで、茶道具はすべてガラスで統一、ガラスのガイワンも茶缶に変身、茶杯はちょっと西洋テイストも取り入れながら用意されていました。その他、テーブルクロスや植物を準備、先生の指示に従って次から次へと心也清の道具が机の上に広げられていきます。そして大部分の道具が揃った所で、先生が仮の表演を開始。表演をしながら、先生の直感に従って、セッティングや表演が調整されていきます。その茶席を構築する過程が大変勉強になりました。


そしてその次に20人程度のお客様へ一度に提供するお茶をどのタイミングでご用意するか、音楽・テーブルセッティング・表演の後の中国茶紹介をどうするかなど、あれこれみんなで相談しながら道具を準備していきました。テーブルや椅子、ポットに、お茶道具に、ラジカセと意外と荷物がかさむのです。

いよいよ当日。開場前に会場入り。初めて中に入る百楽門。映画の撮影所かと間違えてしまうほど、オールド上海の雰囲気が漂っています。建物全体に古き良き時代の上海がそのまま残されている感じです。ちょっとドキドキしながら入場。荷物を中に入れて、場所の確認。ところが、最初に通された場所はあまりにも暑い!空調の効きが悪いのでしょう。主催者の方に交渉して、場所の変更をお願いし、またまた荷物の移動。今度の部屋はこじんまりしていて、クーラーの効きも良くって良い感じ!そこで急いでセッティング。そして私達も心也清から提供して頂いたお揃いの中国服の制服を着て待機。先生達も試験終了後そのまま駆けつけて下さって、無事時間前に到着。これで準備完了。私達の隣の大ホールでは、カップル・友人同士・お子様連れ問わず、各自ご自慢の服で、個性的かつオールド上海な雰囲気で入場されていきます。本当に1930年代にタイムスリップしたかのような気分になってしまいました。

そして本番!大ホールで告知があり、皆さん心也清喫茶に集まって来ました。そしてソファーに座ってくつろいでいらっしゃる所に、今日のテーマである西湖龍井をご提供。そしてある程度人数が集まって来られた所で、呉先生の茶芸開始です。先生の茶芸はとても優雅。そのお手前はさることながら、先生が茶芸を通して作り上げる雰囲気は、まるでお客様を連れて西湖でお茶会をしているかのようです。暑い夏でしたが、先生の茶芸を見ながらお茶を頂けば、暑さも吹き飛び、すっきりした気分になれることでしょう。
先生の茶芸が終わった後は、一部のお客様からのリクエストに合わせて、他の中国茶をご紹介したり、淹れたりしながら、無事心也清喫茶は終了しました。



そして大仕事も終わり、大ホールを見学。オールド上海の雰囲気がそのまま残された大きなダンスホールで、中国服をまとった皆さんはお食事したり、お酒を飲んだり、とても盛り上がっていました。途中、参加者全員が順番にステージをモデル歩きしながらのファッションショー&コンテスト。レトロなものから現代的なものまでいろいろな中国風ドレスがあったり、女性だけでなく、男性や小さなお子様までも中国服を着ていたり、見どころ一杯の楽しいショーでした。



今回オールド上海を通して感じたこと。2011年に上海に住む私達が、1930年代にタイムスリップした気分になれたことで、いつもの上海とは違う一面を楽しむことができたこと。
そして呉先生の茶芸を通して、昔も今もずっと存在し続ける中国茶の魅力を感じることができました。普段は道具の揃った教室で、少人数でお茶を飲むことが多い中、大人数でかつ中国茶に初めて触れる方に、茶席を作り、美味しいお茶を提供するという貴重な経験を得ました。このような機会を得ることができたことに心より感謝いたします。これからは教室以外での茶芸ももっと勉強していきたいなあと思いました。
皆さんも機会がありましたら、百楽門を訪れてみてはいかが?

寄稿by田中 奈穂子

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