08年龍井お茶摘みバスツアー

龍井お茶摘みバスツアーに参加しました。
碧螺春に引き続き晴天に恵まれ、花々が咲き乱れる美しい中国の春を満喫することができました。
私たちが行ったのは西湖龍井を名乗ることができる西湖東部にある13村の中でも獅峰(Shi-feng)と並ぶ最高級龍井の産地である梅家塢(Mei-jia-Wu)です。


このバスで古北から朝7時に出発


今回茶摘み体験目的地の「朱家院」という茶葉農家の入り口


お茶園の見学&お茶摘み

碧螺春よりはずっと茶葉が大きかったこと、茶畑がとても整然としていたこともあり、茶摘みは碧螺春よりは楽に感じました。と言っても籠いっぱいには程遠い感じでしたが。成熟した葉をよく見ると、ちょっと黒くなっています。大雪の影響だそうで、このため虫の発生が少なくなり、今年の茶葉の出来はよくなったそうです。それは楽しみです。


茶畑に散らばって茶摘み体験をする参加者達


作り方の見学&手作り体験

良い香りを引き出すために30%ほど水分を飛ばし、乾燥させてから火入れをします。殺青は電気式の中華なべのようなところで椅子に座りながら行っていました。右手で茶葉をなべの底に押し付けるようにしながら左に寄せ、左手を使いながら握らないように右手を平らにした状態で茶葉を乗せ、指を開いて茶葉をさらさらと鍋に戻します。達人(兼老板)曰く、同じような動きに見えても圧力や手の動きを色々と変えることが必要なのだそうです。


教えてもらいながら龍井茶の「炒茶」を体験

手作り体験中、私は茶葉から手がはみ出して火傷をしないようにすることばかりを気にしてしまい、そんなことを考える余裕はとてもなかったのですが、達人が「へんはおへんはお」と言って下さったので嬉しくなりました。褒められるとすぐ図とか調子に乗るタイプです。

清明節前の新茶試飲と農家風ランチ
龍井43号という品種改良して挿し木で増やした茶葉から出来たお茶が摘み取った日の違いにより3つのランクがあった他、群体種と呼ばれる在来品種で出来たお茶がありました。龍井43号は味と香りが優れており、群体種よりも早生であるため農家に喜ばれると授業で習った記憶が蘇ってきました。群体種は43号よりも時期が遅いからまだ1つしかランクがないんですね。
ここで群体種のお茶の試飲を兼ねてのランチタイムに突入です。


農家風の野菜たっぷりのお料理は美味しかった

お茶が美味しい!お米も美味しい!!きっとお水もいいんですね。
農家風の野菜たっぷりのおかずはちょっと濃い目の味付けで、ご飯が進みます。
蝦と龍井の炒め物を、本家本元の茶葉農家で食べられるなんてヒデキ感激(古くてすみません)。
お茶を購入後、お水をわけていただけないか聞いてみました。
実はこのツアーの翌々日に行われる味覚訓練の授業で使えたらな、と龍井泉の水を汲むべくぺットボトルを持参したのですが、残念ながら龍井泉の水は汲めないそうなのでここの美味しいお水をいただけないかな、と思って。
美味しかったのも当たり前、水は山水を汲みだして甕にためてあるそうです。
行きのバスの中で「杭州なら水道水でもきっと美味しいよ(ニヤニヤby福井先生)」とか「来年は水着を持参すればいいよ(ニヤニヤby大江先生)」という暖かいお言葉をいただいていたので最悪水道水を持って帰る覚悟でいたのですが、優しい老板のお陰で陸羽曰く「上の水」である山水をゲットすることができ、老板が急にカッコ良く見えてきました。

茶葉博物館と老龍井御茶園見学

予定よりも時間に余裕があるということで、急遽予定になかった茶葉博物館に20分だけ寄ることになりました。福井先生に見所を訊ねると「中国5千年の歴史」とのことでしたので、1分につき250年の歴史を感じるという貴重な体験を………早々に断念し、美しい中庭の花々を鑑賞しました。シュウカイドウがとても綺麗でした。


綺麗な記念石周りの景色(文字は「茶為国飲 杭為茶都」)

その後、乾隆帝自ら茶摘みをして楽しんだと言われる18本の龍井の木がある御茶園に行きました。乾隆帝は江南の自然を愛し、その御世に6回も行幸したそうです。自ら茶摘みをした他、水を研究したり器を研究したりとかなりのお茶好きであったことや、変装して色々な所を視察した事で有名です。名君としても名高いので『暴れん坊将軍』や『水戸黄門』のような連続ドラマになってもおかしくなさそうな皇帝です。


下から見た御茶園

立派な柵の中にある御茶を見た後、階段を登って老龍井泉を見ました。
昔の人達はこの泉が海に通じており、必ずや神龍が住んでいるであろうと考えて龍井と名付けたそうなのですが、実際の水深はなんと3m。
そういうことがはっきりしていない時代のロマンって良いですね。
龍の石像の口から水を出すなんて改装工事はしない方が風情があったのでは、と改装前・改装後写真を見ながらちょっと思いました。


老龍井泉

泉の水をかき回すと水面に一条の線が現れ、ゆっくりと消えていくのですが、この現象を龍のひげと呼び、この龍のひげと表面張力の凄さがこの泉の特筆すべき点なのだそうです。確かに1毛のコインは沈みましたが、1フェン玉は浮かびました。童心に返って楽しんだ後、横の小道を更に登って行くと、獅子峰の畑に出ました。
この狭いほんのちょっとの範囲にある茶畑こそ、正真正銘ホンモノの獅子峰の畑とのこと。斜面はかなり急です。「この先に登りたい人」、と大江先生が希望者を募ってずんずん先に行くので、登っていく体力ある皆様を笑顔でお見送りして「どれほどのVIPになったらこの茶畑で採れたお茶が飲めるのかしら」と妄想しながらぼーっと峰を見ていたらお茶を摘み終わったオバチャンたちに出くわしました。福井先生が突撃インタビューをしたところ、朝の6時半から一日働いた日給が40元とのこと。
買い取る!そのしょってる籠に入った本物の獅子峰の茶葉、50元で買い取るよ!!と心の中で思いつつ麓にあるお茶屋さんの茶葉を冷やかし程度に見てみました。
梅家塢の農家で買った茶葉よりも後味がマズイな、見た目が悪いな、その割に強気な値段だな、そしてやたらと家屋が豪華だな、と思いました。
ぼったく…じゃなくって、儲かっていらっしゃるようでお羨ましい限りです、ほほほほほー。
その後、バスで上海に戻りました。去年は事故渋滞でひどく大変な目に遭ったと去年の参加者の人たちに聞いていたので少し不安だったのですが、幸運にも渋滞に巻き込まれることなく、無事18時半過ぎに古北に着くことができました。

今回の旅行では、龍井はそもそもお茶の名前ではなく、龍井泉の傍に龍井寺というお寺を作り、そこの僧お茶を栽培して出来たのが龍井茶であるということを知りました。また実際に自分でお茶を摘んだり作ってみることで、より深く知ることが出来たと同時に身近に感じることが出来るようにもなりました。
素敵なツアーをありがとうございました。味覚訓練の授業も楽しみにしています。

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