高級評茶員への道 第十回

今日は名優茶について。
龔先生が「私が受け持つ最後の授業です」「趣味だというのに、ここまで良く頑張ってくださり、嬉しいです」「試験を受けた後も、経験を積んで、もっと上を目指してください」と激励の言葉をかけて下さいました。もっと上ですか…霞んでよく見えませんが、頑張ろうと思います(ココロノコエ)。
名優茶の味に関係があるのはまず作り手の技、次が品種、環境で栽培技術は生産量に関係があるけれど、味にはあまり関係がないというお話しをされました。
そう言えば、烏龍茶の授業で「本山もちゃんと作れば鉄観音に勝るとも劣らない味になるのだけれど、価格が安いので適当に作る農家が多い」というお話しがあったなぁ、と思い出しました。
名優茶というのは名茶であり、優質茶であるということで、時系列的にわけると伝統名優茶(※古くから伝わっているもの)、歴史名優茶(※歴史の中で一度生産が途絶えたものを復活させたり作り方を変更したもの)、新創名優茶(※1949年以降に新しく作り出したもの)があり、形でわけると巻曲型や扁平型、針型など7種類に分けられるというお話しをなさいました。お茶の種類で言えばつい最近までは5種類だったのだけれど、最近黒茶を入れて6種類となったのだそうです。
名優茶の評茶は、見た目の美しさで先入観をもってしまうので、お茶の内質を先に見てから見た目の美しさを見るのだそうです。味を見るのは香りを見るよりも難しいそうで、中国国内の評茶ではNo.1という評判の龔先生が難しいとおっしゃるのだから、かなり難しいのだろうなと思いました。
コンテスト時の評茶方法は3種類あり、1つは一人が評茶したものを校正するもの、もう1つは2組にわかれて別々に評茶する、最後の1つはひとりひとりが評茶して、各々が出した最低得点と最高得点を省いて平均点を出すというものだそうです。
また、5因子毎の点数をただ足すのではなく、因子毎の係数をかけて総合得点を出すのだそうですが、お茶の種類に寄って係数が変わるそうで、緑茶と紅茶は外形と茶殻の係数が比較的高く、烏龍茶は味や香りの係数が比較的高いそうです。
どうしてだろうと家に帰って考えて、緑茶と工夫紅茶では茶葉の若さが大切だからか、と気づきました。ふっ、所詮若さか…とやさぐれつつも、各因子の係数を覚えてみました。
お茶はその等級毎に甲(90―99点)乙(80―89点)丙(70―79点)にわけるのだそうです(※コンテストには70点以下のお茶は普通出ないので丙以下はないそうです)が、緑茶の場合、甲と乙は茶葉の若さの問題だそうですが、丙は複雑で、茶葉の若さが良くても作りが悪い、逆に作りが申し分なくても若さが足りないなど、いろいろな理由があるとのことでした。
午後はコンテスト形式で12種類のお茶を評茶しました。径山茶や碧螺春という有名なお茶ばかりでなく、聞いたこともないお茶が多く、家に帰って龔先生が執筆に携わった中国茶譜を読み返してみたのですが、そこに載っていない茶葉も多かったです。新創名優茶だったのでしょうか、貴重な体験だなぁ、でもどれもとても美味しいお茶ばかりで流石コンテスト茶だなぁ、と思いつつ、美味しく楽しく評茶させていただきました。

寄稿byとおこ

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