08年碧螺春お茶摘みツアー--参加者寄稿1

3月26日に心也清の洞庭碧螺春お茶摘みバスツアーに参加しました。
当日はうららかな晴天に恵まれ、楽しい一日を過ごすことができました。

碧螺春の作り方の見学&手作り体験

工場の中に入ると、大勢の人たちが一心不乱に茶葉を選別していました。
碧螺春の原料となる単芽・一芽一葉初展・一芽一葉の若い茶葉とそれ以外の茶葉に分けているのです。
それが終わったら、碧螺春の原料と屑葉のグラム数をはかり、選り分けた人の名前を記録します。
その後、良い香りを引き出すために軽く乾燥させてから火入れをします。
殺青から干燥までは台に埋め込まれた中華なべのようなところで行っていました。火の加減は裏に薪をくべる人がおり、その人に鍋を混ぜる人が適宜指示を出して調節するとのこと。若緑の茶葉が良い香りになり、みるみるうちにふわっふわの産毛だらけの田螺形に。
なるほどー。では早速、手の感触、茶葉の重さで水分の飛び具合を判断したり、香りで判断するという経験がモノを言う世界に、ついさっきやり方を初めて見た私たちドシロート軍団がチャレンジです。
茶葉は当然最高級碧螺春の原料の若芽…じゃなくて屑葉です。
私たちは揉捻が上手くいかず、お茶の葉の形がそのままだったり、焦げたり。実際に作ってみると、その技の凄さがわかりますね。私はあまりの鍋の熱さに、手触りや茶葉の重さを感じる余裕なんてとてもありませんでした。

お茶園の見学&お茶摘み

碧螺春の茶木は果物の木の下に植えられます。
直射日光ではなくワンクッションを置いたやわらかい光と、近くにある太湖がもたらす湿気が良質な茶葉をつくり、また果物の香りがうつることで碧螺春の特徴である花果香が生まれると言われています(果物にお茶の香りはつかないのでしょうか)。この茶園には、枇杷の木が多かったです。
竹のかごを一人一個ずつたすきがけして、いざ茶園へ。まずは先生がお手本。爪を使わず(爪で傷つけるとそこから発酵が始まってしまうから?)、手首のスナップをきかせて摘むらしいです。
芽の部分ってなかなかないな、一心不乱に摘んでも全然かごがいっぱいにならないな、と茶摘みの大変さを実感しました。
茶摘み体験が終わっても、多分一回に飲む分も取れませんでした。
こんな戦力外選手、お手伝いだったら絶対に昼ごはん抜きだろうな、としゃべりつつお腹はペコペコ、食べる気マンマンですが、ランチの前に試飲とお買い物タイムです。

清明節前の新茶を試飲
茶園の特産品として碧螺春だけではなく、枇杷の蜜や花粉などが売られていたので、茶園兼果樹園と書いて商売上手と読むべきでしょうか。
試飲のときに「あれ、中投法?これは上投法で淹れるはず」とお茶を淹れたお店の人じゃなくって、罪のない小周に詰め寄ってみました。
良い茶葉ほど早く沈むと言う言葉の通り、茶葉はあっという間に沈みました。フルーティな爽やかで甘い香り。たくさんの産毛が茶湯の中を舞っています。見ているだけで春の息吹を感じます。
口に含むとほんのり甘くて透明感のある柔らかい味。おいしい。
これが一番安い茶葉だなんてどういうことなんでしょう。
もっと美味しいのがあるってことですよね?
これよりも良い茶葉はありますか、一番良いお茶が欲しいのですがおいくらですか、それはどう違うのですか、では○両買うので試飲はできますか、と聞きました。値段の違いは摘む時期だそうで、一番良いものは今日より10日ほど前に摘み取られた、一番最初に摘み取った芽で作ったとのこと。ここにはその茶葉はない、保管してあるところは別だから試飲は出来るけど時間がかかると言われ、時間がないので試飲せずに買うのは危険かと思い、先生にも確認しましたが信頼しても良いとのことでしたので(コストパフォーマンスが良くないと止められましたが)買うことにしました。
授業で「早採三天是宝、晩採三天是草(三日早く摘めば宝、三日遅く摘めば草)」ということわざを習いましたが、最高とされる清明節前の茶葉でもやはり時期はあるのだな、と思いました。

ランチ
大人数、最高!!円卓を彩るたくさんの中華料理を見るたびに思います。大江先生がセレクトするお料理はいつもお野菜が沢山でヘルシーだし、調理法や味付けも被らないので、心也清のツアーのお食事はいつもとても楽しみです。
飲み物はもちろん、皆で作ったばかりの「なんちゃって碧螺春」。
茶葉がいつまでたっても沈まないのもご愛嬌。香りも高いので、きっと美味しいはず。


…水道水フレーバーでよくわかりませんでした。超残念。

席家花園、彫花楼などの名所見学
席家花園は1933年、席氏により、その父祖の時代に康熙帝(こうきてい)がこの地に来臨したことを記念して建てられた広大な庭園です。
清朝第四代の皇帝・康熙帝の時代(在位1661年ー1722年)は清代において、第六代乾隆帝の時代と並んで国力が最も盛んであった時代の皇帝で、康熙辞典の編纂をはじめとした文化の発展にも力を注ぎ、清代に限らず、中国歴代王朝を通じての名君の一人とされています。
太湖を借景に、太湖石をふんだんに使った庭園は花窓の模様もとても美しく、大江先生が「15分で充分見て回れるでしょ」と言いつつ30分かけても名残惜しそうになるくらい見所充分でした(笑)。
雕花楼は第一次大戦後の1922年、綿糸を売って一代で財産をなした大金持ちが贅を尽くした邸宅です。当時は珍しかったフランスから輸入した色ガラスや蓄音機、精密な彫刻を施した紅木(マホガニー)製の100万元もするベッドなどの調度品はもちろんのこと、家中におめでたい彫刻が施されていました。私はおめでたい彫刻の意味がわかるほど、中国の故事や中国語の発音に詳しくないのですが、それでもコウモリや桃、梅の下に鹿などのモチーフはわかりました。
庭には金賞を受賞したお花、隠し扉の先に秘密の小部屋。
秘密の小部屋は、ちょっと忍者屋敷っぽくて面白かったです。
ここは映画のロケ地としてもよく使われるようで、コン・リーの写真などが飾られていました。

帰りのバスの中では疲れて爆睡してしまいましたが、夜は早速、夫と買ったばかりの碧螺春を楽しみました。
この日のために、小周がやっている茶芸講座で緑茶の「上投法」を習ったのです
よ…ふふふ。
次回のレッスンは4月14日(月)らしいです、とちょっとマワシモノになってみま
す(笑)。

寄稿by東塚

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